答えは22/7=3.142857142857*1というわけで、割り切れないアイドル22/7のMV紹介だ。まずは次の動画をご覧頂きたい。
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すごくないか? 最近は3DCGのアニメが増え、アイドルコンテンツではよくよくCGを作られる。Vtuberで更に触れる事も多くなった。多くの人が見慣れている。だからこそこのクオリティの高さがわかるはずだ。好きな人なら制作会社やスタッフまでわかるかもしれない。そう、制作はタツノコプロで乙部さんのチームである*2。プリティーリズムやプリパラを見ている人ならこの出来も納得できるだろう。今回はこれまでに出た3作のMVについて振り勝っていく。
まず1作目の「僕は存在していなかった」は結構大人し目のMVである。曲も画面も落ち着いている。しかし、キャラを8人まとめて出して、校舎があって、日が沈んでいくのである。しかもモデルの破綻もない。これだけでも力の入れ方が尋常ではない。
22/7ではキャラクタPVの「あの日の彼女たち」も出している。これを見てから見直してみるとそれぞれのキャラクタもよく出ている。クールなようでいて一番表情が変わっているニコル、1人残されてもぽつんとしない桜、ちゃんと椅子に座れないジュン等キャラクタを把握してから見るとまた面白さがある。
2作目の「シャンプーの匂いがした」は前回と打って変わって動のMVだ。全てが明るくできている。表情も背景もコロコロ変わる。ダンスパートと日常パートのメリハリがよく、仕草は一々可愛い。四季の変化も享受すべき明るさを備えている。とても楽しい構成だ。こうした表現の変化が可能だったのは建物やキャラの基本的なモデルが1作目でできていたからだろう。
表情を崩されるみうや聞こえない聞こえないとする麗華は「あの日の彼女たち」でもない描写であり、時系列の変化を楽しめそうだという期待もさせてくる。
そして最新作である「理解者」。3作目は前2作と大きく趣が違う。まず学校の外に出た。初めての外ロケは渋谷駅近郊である。センター街がよくモデリングされている。街の構造がほぼ完璧に再現され、変名に意味がない程だ。一方で通行人はのっぺらぼうで緩慢な動きをしている。それでいて歩行としては完璧だ。何しろスクランブル交差点で人を避けない。
アイドル達のモデルとしてはダンスシーン以外で横顔を映して歌う麗華のカットが印象的だ。正面からの可愛いモデルを作っても側面からも可愛いとは限らないし、止め絵でかわいいモデルと踊らせて可愛いモデルを1つのモデルでやるのは難しい。しかし、3作目にしてそれができてしまった。すごいを通り越して恐ろしくなってくる。
ダンスパートも動きが激しくなっているのでキャラクタそれぞれが出ている。特にサビのあかねは目立って激しいが、実は後列の都も激し目だ。ジュンの動きがちょっと速かったり、絢香が遅かったりもしている。キャストがアクターなのでモーションキャプチャでのディレクションもあるのかもしれない。
また、演出もこれまでとちょっと違っている。アイドルらしく周囲の環境を変化させるような演出をしている。人を消し、街頭以外の光を消し、その後に一気にライトアップする。とてもアニメっぽい。日がゆっくり沈んでいったり、四季の移ろいを表現するのとは全く違う。
台詞らしいパートが挿入されるのも独特だ。それもセンターのみうではなく、ニコルにである。1stと3rdでみうとニコルは2人ぼっちのような印象を受ける。day01, 05もそれが補強されそうなエピソードだ。それでいて2ndでみうは絢香といたりする。時系列が違うのか、そもそもこれも演出なのか。今後明らかにされていくのだろうか。
総じてカップリング的な面は「あの日の彼女たち」の方が強いのだが、先述の通りみう周りはニコルだったり絢香だったりとMV毎に変化があって面白い。また、MVは「あの日の彼女たち」と違ったカプが見られるという魅力もある。麗華とあかねは特にそう見える。そうでなくとも、わちゃわちゃしているのが好きならシャンプーの匂いがしたはとても楽しいだろう。
所で、曲調の変遷がモデルにもいい効果を出しているように思う。「僕は存在していなかった」は曲調として大人しいから表情の変化もあまりない。キャラクタとしてもCGモデルとしてもベースラインの表情と言える。次の「シャンプーの匂いがした」は打って変わって明るい曲調だから表情も景色も動かしていく。直近の「理解者」はサビでは激し目なので静と動の双方が必要とされる。モデルの作り込みにいい変化と言えないだろうか。
今回はMVから22/7を紹介した。アイドルCGが好きな人なら楽しめると思うので是非ご覧頂きたい。カップリングが強い「あの日の彼女たち」についてはまた後日書きたい。