君と、徒然

要約:
咲-Saki-実写版を楽しめた人は見よう。明日、仙台に行く人は百合展で買えるぞ。アイドルや声優のオタクにもおすすめだ。

17歳と17歳

もう美少女の距離感が最高。借りた本は読み、隣に座った姿は見るのに、同級生達にはピントすら合わない。向かいあってはいても、隣り合う存在ではない。そういった表現がとてもアニメっぽい。
それでいてあまりリアクションのないやり取りは実写的だ。アニメだと動きや台詞がないとリアクションがないように見えてしまうが、現実的には無反応は意識しないとできない。それが実写ではわかってしまう。
要約に書いたように咲の実写版を楽しんで見られた人は楽しいと思う。

21歳と20歳

短編集に載っている漫画っぽいなというのが正直な感想だった。アクション映画のいかにもなポーズも、撮ろうとしても撮れずに目に焼き付けるという表現も、漫画ではよく見る気がする。
それだから、監督はカメラマンだからか、止め絵というものを一番意識したのはこれだった。まだまだ先があるからこそ、一瞬を切り取るカメラを意識させられる。今しかない高校生や少し先まで決まっている30代とは違うんだなぁ。

31歳と30歳

いや、もう、完全に質感アニメでしょ。マウスプロモーションのオタクならわかるでしょ。
3編を通して私はこれが質感トップだと感じた。きっと私にとっての質感は時間を指しいるのだろう。アラサーがメイクを落とさずに車中泊をする、同年代なのに敬語を使ったままでいる、公園を回るという猶予を作る、来週のコンサートを楽しみにする。ある程度の結果がわかっている時系列だ。そうした点に惹かれてしまっている。
そして、そんな情景を切り取るのが写ルンですなのだ。写ルンですはチープな上に現像が面倒くさい。しかし、ちょっと先を予約したとも言えるのだ。なんて終わらせ方に合ったオブジェクトなんだろう。



無自覚な時点で下妻物語が好きで、意識してから咲の実写版を好きになった私にはとても合っている映画だった。アニメやゲームがライヴや舞台をやる時勢だから成立した企画だとすればいい時代になったものだ。益々ポニーキャニオンへの信頼が増してしまった。