緋弾のアリアAA 1弾「もう一人のA」

これは忘れないよ、アリア先輩と同じ銃だもん


1話という事で2人の出会いから戦姉妹の契約まで。原作では3話かけてやっている所を1話にまとめている。導入としてはとてもよいものであった。アニメの1話で必要な要素は3つある。それは、世界観、主要人物の行動様式、作中で一番大切にされている要素の提示の3つだ。起きそうな事、やりそうな事、見せたい事の言い換えてもいい。

まず世界観。これは日常との違いだけ言えればいい。ファンタジーなんかだとナレーションまで入れる事もあるし、日常系だと説明はしなくていい。AAだと治安が悪い所で武装探偵という何でも屋の養成校があるくらいの事さえ言えればいいだろう。

行動様式は作中の主たるアクションの中でキャラクタが何をしそうか言えればいい。バトルがメインだとこいつはどういう戦い方をするかになるだろうし、日常系ならこいつがボケであいつがツッコミかを言えればいい。AAだとあかりが頑丈で強いらしいアリアにも対抗できる何らかの技を持っていることがわかれば十分だ。

最後の一番大切な要素の提示はアニメによって全く異なる。謎は全て解けたでもいいし、プリパラは好きぷり?でもいい。AAだと格好いいアリアとそれに憧れるあかりの戦姉妹という関係だと思う。

1話ではこれら3つがちゃんと満たされていて非常によい導入だった。捕物をやってアリアの格好よさを示して、そんな相手にも通用する技を使い、互いの魅力を認識した上で仮契約をする。次回以降のフックも各所に残しつつ、どういうアニメであるかを実にわかりやすく示せていたように思う。


原作者の赤松さんも関わっているらしい原作からの改変もよかった。派手な捕物も世界観とアリアの実力を示すのにいいし、試験を対人戦にしたのもあかりの弱さがわかりやすい。中でも一番よかったのは銃の扱いである。コミックでは家を出る時に銃をののかに持たされていたし、試験もエンブレムを取ってみろというものだった。しかしアニメでは、銃は憧れの人と同じものだから忘れないし、試験もその銃を取り返すというものになっていた。失敗した昇格試験ではマイクロUZIを使用していた点も含めて、銃を通してあかりからアリアへの憧れが示されていてとてもよかった。AAでは一番大事な事だ。


そんなわけでとても出来がよかった第1話。次回はクレイジーサイコレズだと言われそうな志乃さん回。所でニコニコチャンネルでの配信はいつなんですかね。本当に来るんでしょうか。人に紹介する時に有料というのは厳しいのですが……。


ハーレム内での百合と百合ハーレム

この10年程ハーレムアニメと呼ばれるジャンルがアニメ全体でも高い割合を占めており、昨今は陰りが見えてきたようにも思えるがそれでも一定の割合を保っている。なお、ここではハーレムアニメを男性主人公を複数ヒロインが囲むタイプのアニメと緩やかな定義をしておきたい。

こうしたアニメにはいつからかヒロイン同士の関係が描写されるようになっていた*1。これには2つの理由がある。まずハーレムアニメの文法としてはお当番回というものがあって、特定のヒロインがお当番として主人公に可愛らしい姿を見せる様式がある。この際にお当番でないヒロインが余るという問題を解決する必要がある。2つ目としてヒロインは主人公が独占するという不文律がある。この不文律によって他の男を出して無闇に関係を発展させる訳にはいかない。これらからヒロイン同士で絡むといった状況が発生する。ヒロインは主人公を取り合っているので恋のライバルとしての関係をやってもいいし、お当番に対する共同戦線を張ってもいい。共有できるものがあるからそれを支点として関係を描けてしまうわけである。

さて、そうやってヒロイン同士の関係を描いてしまったわけである。今でこそ百合アニメはハーレムアニメのすぐ近くにあるくらい供給されていうると言っても過言ではないが、数年前まではそんな状況ではなかった。1クール1本あればよくて、安定的供給のある女児アニメばかり見るような状況だった。そうして中でヒロイン同士の嫉妬や同情、共闘や対立を見せたらどうなるか。見ているものが男性主人公であっても同じ方を見ていたり、間に男を挟んでいるだけで見つめ合っているのだ。場合によっては主人公に対する気持ちを気づかせてしまったりするのだ。そういったものを見せられてしまったらもう百合としか呼べない。きっかけが男にあるだけで、仮にこれを宝石に魅入られたヒロイン達の話だとすれば、広く百合であると呼べるだろう。

だが、先にも述べたように百合アニメが増えてきた。そして昔からあるようにそういうカップルもいるという状況ではなく、女中心のハーレムが増えてきたのだ*2。百合ハーレムと呼ばれるタイプのものだ。これが男は不要だが男中心のハーレムアニメと似た文法にしたかったからなのか、アイドルアニメが増えてそのセンターに立つキャラクタがハーレムの中心に近かったのか、あるいはまた別の理由だったのかは明らかではない。それでも生まれてきてはいる。次回はそれが実際に設定としてそれが内包されてしまっている本日10/6 23時から順次放送開始の2015年秋アニメ緋弾のアリアAAについて取り上げてみたい。


*1:初めからその要素がインプリメントされていた可能性もある

*2:ただ主人公を含めて3人というものが多い。相田マナさんはおかしい

緋弾のアリアAAを切らない理由と見る理由

緋弾のアリアAAが明日10/6から放送開始となります。私みたいにCATVのない地方民はdアニメストアで10/8から見られます。詳細はオンエア情報(ON AIR|TVアニメ『緋弾のアリアAA』公式サイト)をご参照ください。
そんなわけでここではアニメの宣伝をします。簡単に言えば百合が好きな人、そうでなくとも可愛女の子が出てくればいい人は見た方がいいよという話になります。特に毎クールアニメを見る際に、切る理由を探す人と見る理由を探す人向けです。なお、ある程度のネタバレが含まれています。

切る理由を探す人向け

見ない理由は人それぞれでしょうが、おおよそ以下は一般的な理由となるでしょう。大分百合向けですが。

  • 2期物なのに1期を見ていない
  • ラノベと同じくハーレムとなるのではないかという疑念
  • 後から男が登場するんじゃないかという不信

2期物なのに1期を見ていない

スピンオフであって2期ではないです。私はAAは読んでいますが、スピンオフ元のライトノベルは全く読んでいません。平気です。
確かに"緋弾のアリア"のキャラクタは出てきますが、アニメ化される範囲では彼らが主体となるような出番はないでしょう。たまに出てきて協力してくれたり強化してくれる先代のプリキュアみたいなものです。あくまで戦って頑張って勝つのはAAのキャラクタです。ごあんしんください。

ラノベと同じくハーレムになるのではないかという疑念

AAはAAの主人公あかりを中心としたハーレムです。男を中心としたハーレムなんてありません。アニメ化範囲では出てこない話ですが、設定上不可能と言っても過言ではないです。どうせラノベの方のハーレムの一員になるんだろうという諦めは不要です。ごあんしんください。

後から男が登場するんじゃないかという不信

こちらも設定上不可能な上に、アニメ化される範囲では男はモブでしか登場しないと思われます。緋弾のアリアの主人公遠山キンジが登場しますが、別にあかりのハーレムには何の影響もないです。キンジに限った話ではありませんが、あくまでAAの主体はAAのキャラクタであって、その障害になるような展開は描かれません。ごあんしんください。

見る理由探す人向け

一般的な見る理由を挙げる事は難しいですが以下の点はおすすめできます。

  • 可愛い女の子格好いい女の子が出ていればいい
  • 魅力的なカップリングがあればいい
  • 声優さんのイベントに行きたいラジオを聞きたい
  • 百合があればなんでもいい

可愛い女の子格好いい女の子が出ていればいい

アニメ化される範囲だけでも、抜けているけど頑張りやな小さい子、主人公への愛が重い大和撫子、思考は乙女なイケメン、あざとくタチっぽいJKを落としていくJC、いかにもなツンデレお嬢様、マゾでチビな双子、ニンジャ、セーラー服の似合う20代同人作家、等々各種揃っています。ご覧ください。

魅力的なカップリングがあればいい

まず、主人公あかりを中心とした百合ハーレム的な要素があります。また、固定カプもいますが、割と浮動的な要素もあります。これだけで興味を持ってしまった方はぜひともコミックをご覧ください。
ハーレム要素としてはアニメ化範囲内では志乃と麗が該当します。大分愛が重い感じなので楽しいです。ただ、この2人自体のカップリングも大変魅力的です。ハーレムアニメのヒロイン同士のカップリングにいつもハマってしまう人は是非ご覧ください。
固定カプとしてはライカ麒麟ですね。いかにもイケメンとその相手のヒロインといった感じで、その時点で好きな人も多そうです。ただ、実際はロリコンとそういう女性専門のハニトラです。大体見た目は格好いいのについつい攻めさせられるような立場になっており、ヘタレ攻め誘い受けの人は是非ご覧ください。

声優さんのイベントに行きたいラジオが聞きたい

まず、メインの声優としては佐倉綾音さん、釘宮理恵さん、茅野愛衣さん、M・A・Oさん、悠木碧さん、ブリドカットセーラ恵美さん辺りです。
イベントの告知はされていませんが、アニメDVD/BD1, 2巻の特典にイベントチケット優先販売申込券がついているのでイベントは行われるでしょう。誰が来るのかはわかりませんが、上記の6人の他、堀江ゆさんや水瀬いのりさん等もキャストとしてクレジットされています。興味が湧いたら是非ご購入ください。
ラジオの方はもうプレ配信(http://www.onsen.ag/program/ariaaa/)がされており、AAにちなんでAyane Aiという事で佐倉綾音さんと茅野愛衣さんがご担当されています。初回のゲストは釘宮理恵さんです。お聞きください。

百合があればなんでもいい

さっさと書店に行ってコミックを揃えてください。

アニメを見て早く続きが見たくなってしまった人へ

話の長さや盛り上がりから考えてアニメは原作5巻までと予想されています。アニメを見を見て続きを早く見たくなってしまったら取り敢えずIV巻まで読めば大丈夫でしょう。コミックを追いかける形でノヴェライズもあって、そちらの方がよければ最新3巻までに収録されています。



咲-Saki- 第146局[絶望]

あのあと部屋に戻ってもいろいろ大変だったんですよ


[ここまでのあらすじ]
実況以外では久しぶりの大人組が登場。はやりん、戒能プロ、佐藤アナの3人である。時系列としては例の女子回の翌日なのでそれに言及。はやりんは酔うと大変らしい。高校生組の方はといえば爽の過去が語られる。子供の頃にカムイに助けられてからと思われているようだ。そうして得たカムイのホヤウは能力の非干渉化、アッコロはツモ河山を赤く染めるというもの。本作2度目の数え役満で大逆転。ついに有珠山が2位、そして清澄は最下位へと転落するのであった。


戒能プロの見立てによると、爽の召喚したものはスネイクとオクトパス、特にスネイクはマヤのククルカンに似たものに見えるらしい。ククルカンといえば羽の生えたヘビであって、確かにホヤウカムイに似ている。はやりんの反応からすればヘビやタコ程度に見えるのは戒能プロだけのようである。はやりんがのどっちのようなタイプでないのなら、召喚したものを見るにも一定の能力や素質が要求されるのだろう。しかもその知覚能力は距離か何かによって減衰するようだ。改めてモノクルを割った時の咲のモンスターっぷりを確認させられる。

戒能プロもタコっぽいものも召喚できるようだが、あくまで呼び出したキングが更に呼び出すといった方式らしい。キングとはこれまでも噂として話の出ていたソロモン王の事だろう。そのソロモン王が更にソロモン72柱を召喚するのだ。タコっぽいソロモン72柱というのはいないようだが、全然別物としているし、序列1位で蜘蛛めいた多脚のバエルだろうか。まったく、召喚対象が再度召喚とはどっかのサーヴァントみたいな話である。はっきり言って強すぎる。しかし、このレベルでなければ新人王が取れないのだ。プロというのは一体どんな魑魅魍魎が跋扈しているのだろう。


佐藤アナは麻雀プロ特有の意味不明な会話にインターセプトビオランテの話をしている時にたこ焼き美味しいみたいな人である。それでも報道の人だけあって本編前日の例の恐ろしいプロの女子会を知っている様子。そしてはやりんへ刺すような視線。卓上でなくても対局は始まるのだ。しかしすかさず戒能プロの差し込み、もといはやりんとの惚気話。部屋に戻ってもいろいろ大変って何があったのか。よく分からんが、2人は同伴出勤めいたものと見てよろしいか。


爽の過去と能力、それは恐らく幼稚園児時代にまで遡る。ある時行方不明となり、赤い海水に濡れて2日後に戻ってきたそうだ。それからは数年に一度巻き込まれる事故事件にはそれらに助けてもらっているとしているらしい。迷子となって怪異に助けられ戻ってくるが結びついたままというよくある類型と思われる。昔話としか思えないが、それを誓子と揺杏は信じているようだ。信じているというより寧ろ、そういった物語の類型に従って爽がまたあちら側に戻っていしまうことを恐れているのかもしれない。行方不明となった時のように。

そんな過去の会った爽だが、やっとホヤウとアッコロの効果が判明。ホヤウは対局相手の干渉から守ってくれるようだ。これはホヤウカムイ疱瘡神を追い払った伝承によるものだろう。しかし、ネリーの瞳の炎も消しているようにみえる。咲において瞳が燃えている時は能力を発動していると考えてよい。それを消してしまったという事は能力を無効化したのではなかろうか。少なくとも爽に能力を向けていて、その干渉をなくしたから無効化した程度の効力はあるだろう。一方のホヤウは赤い姿が反射して空や海を赤く染めるという伝承から、手牌も河も山も赤く染めるというものらしい。ある意味で松実姉妹の能力を合わせたような感じである。早く高い手で上がれる相当に強い能力だ。

しかし、両方とも使いきりであり、爽も自覚する通り神頼みだけでは勝てない。まだこれから長い後半がある。そして、ホヤウは嶺上まで支配できるのか。絶望はまだ早い。


感想の書き方を変えてみる

アニメや漫画の感想ばかり書いているが、私が言及するのは特定の事象に関する考察めいた内容ばかりである。例えば咲で言うと、各人の能力やカップリングについての話が基本となる。これは各話のあらすじそのものとはあまり関係がない。話の文脈において語られる事ではあるが、話の筋からピックアップしていく内容である。故にそれに合った書き方を検討してみた。

これまでは話の筋を書きながらも、所々気になった点について言及をするといった形式を取っていた。あらすじと着眼点をごちゃごちゃにしながら書いていたのだ。しかも悪い事にそれでは書きづらいから中途半端に分けようとしてみたりと、行き当たりばったりな書き方をしていた。その時の気分は分かるかもしれないが、後から見直すような代物ではない。後から見直すなら正規化できるようにしておいた方がいい。

そこで、いっその事あらすじは別にしてみた。話の筋自体は必要だが、それに沿って書く必要がないのなら、それは別記してしまった方がいいそれから書きたい事をそれぞれに書く。言語化してみれば当たり前すぎて、どうしてこれまでそうしてこなかったのか不思議ですらある。多分、使い方を全く考えていなかったのだろう。とても馬鹿っぽい。

今後もよりよい方法があれば検討していきたい。単行本なんて今回の書き方では書きにくい。