あらまし
少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Regalia*1に行こう。当日券もあるし配信もある。是非とも見よう。最高だ。
Regaliaとは
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Regalia」はレヴュースタァライトシリーズの最新の舞台だ。今回はDelightでも出てきたシークフェルトの中等部が主役となる。
お話としてはDelight以前の高千穂ステラ達が来日してきたばかり時期のものだ。高千穂ステラと大賀美詩呂がドイツを離れ日本のシークフェルトにやってきたという、よくある過去編でのメインキャラの登場回といったものである。
展開としてはそれぞれにいさかいがあり、レヴューに巻き込まれ、決着がつき、次の舞台を目指すといったものだ。色々あるけどレヴューで決着がつく。いつものスタァライトの舞台といえばわかる人にはわかるだろう。
高千穂ステラの貴種流離譚
さて、この高千穂はシークフェルト家という著名な家系の生まれだそうだ。しかしドイツ時代に舞台で失敗をして、やり直す為に縁のあるシークフェルト音楽学院に来たらしい。一方で、今作や前作の一部でセンターを張るなど、エーデルの中心で王たるフラウ・プラティーンになるかのような扱いを受けている。高貴な生まれな者が元いた場所を離れ、苦難を乗り越え、王になるという貴種流離譚での主人公のようなキャラクタである。
所で、多くの貴種流離譚は単身で離れた地域に送られてしまうようだが、高千穂には大賀美というメイドがついて来ている。胆力があって聡明で舞台の実力もある完璧なメイドだ。実際、森保に言い返すし、あの雪代にまで評価されている。しかし、高千穂と大賀美の2人揃っても雪代にはレヴューで敵わず、上掛けを落としている。能力はあるがまだ彼らはまだエーデルではないのだ。
今のフラウ・プラティーン
エーデルの中心たるフラウ・プラティーンは現エーデルでは圧倒的な王として雪代晶がその座にいる。雪代個人の認識としては含みはあるにせよ、総体としては雪代あってこそのエーデルである。
しかし、中等部を見るとそこは微妙だ。高千穂がそうなりそうではあるものの、実力としては大賀美、意欲としては森保のようだ。一方で雪代の王の有り様が示されたからこそ、王の有り様に幅が出たようにも思える。雪代は実力があるからこそ王としての威容もあるという扱いだが、その威容は宰相や騎士があるからこそだという見方が大賀美により示唆されている。これによって王の有り様に自由度が生まれている。
雪代は舞台少女は身勝手で貪欲と説くが、それを雪代が説くからこそその有り様は雪代時代の話ともとれる。すなわち新たな形式の王の誕生の暗示と見る事もできよう。
主人と従者
高千穂と大賀美は主従関係だが、実力的には大賀美の方が上だそうだ。それでいて関係としても高千穂からは対等とされており、実際に大賀美も指導的な発言が少なくない。実際、大賀美の進言は受容が容易なら採用されるし、そうでなければ反発される。一定以上の信頼が成立した主従関係と言えるだろう。
しかし雪代は従者では不満だろうと問い、大賀美はそうではないと言いつつも完全に否定はできていなかった。聞き方としても舞台少女としてそれでいいのかといった問いだったので、大賀美は舞台少女としての将来像を提示せねばならなかったがそれができなかった。それを今やらなかったのは今まだその時ではないという事だろう。
舞台少女にとって舞台少女たる理由は重大事である。演出的にもその理由はレヴューのテーマそのものになる。それが今回、大賀美には明示的に描写されなかった。愛城のように乗っ取って自身のレヴューにしてしまう事もなく、救援としてのレヴューとなってしまった。何を表現したいか、何になりたいかを示す事なく舞台に立ってしまった。ここだけ見れば主人について行っただけの従者である。
運命のレヴュー
大賀美は高千穂の為に舞台に立つと言い、実際に立った。レヴューで負けはしたものの、それを達成した。しかしそれは自身あるいは高千穂に立った考えである。現時点では舞台への、客席への意識があまりない。
ゲスト出演者はジョークのように客席を扱っているが、大賀美はその意識が不足している。一方で主人たる高千穂は舞台に立つ恐ろしさという意味で観客を意識してしまっている。そういった意識の差があるにも関わらず大賀美はこうあるべきと高千穂に説いている。だからこそあの場面では突き放されたのだ。
シークフェルトではエリュシオンをエーデルが演じる為、演目も出演者の人数も決まっている。だからこそどのポジションで何を表現するかが重要だ。しかし大賀美にはそれがない。表現する実力がありつつも主人を守るという目的で舞台に立っている。王には宰相や騎士がいると言ってはいるが、自身がどれとまでは言えない。ポジションゼロに立とうとする森保や自分のできる事をやるというリュウとは対象的だ。
ただ、これを初めから持っておく必要はない、レヴューの末に見つけてもいいのだ。それこそがスタァライトである。その時、誰とレヴューすべきか。言うまでもなく高千穂相手だ。守りたい相手がいるから舞台に立つなら自分の配役もその相手の配役も決めなければならない。守る為に対峙しなければならない。
Regalia -継承-
高千穂が王となる事は既に暗示されている。しかし今回敗北を経験したからこそ、勝って当然の栄誉では王としては不適当だ。そこで高千穂にとっても大賀美はレヴューの相手としては適当となる。雪代からエーデルに及ぶと評価されているのだ。元より因縁がある強敵は王位を示すのに格好の相手だろう。
すなわちそのレヴューは王位を示すためのレヴューとなる。その為のレヴュー曲がRegalia -継承-だったのではないか。これから王位を、ポジションゼロを決めるための曲だ。アニメであればStar DivineやStar Diamondのような位置だ。最後の舞台そのものではなく、どのような配役となるかを決める曲なのだ。新たの王の誕生とその未来を示しているのだ。
まとめ
高千穂ステラがプラティーンになるには王位を示す必要があり、それは大賀美詩呂とのレヴューとなるだろう。このレヴュー曲はテーマとしてもRegalia -継承-となるだろう。
そして今日が大千秋楽の少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The STAGE 中等部- Regaliaを見に行こう。