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何故アニメのライカはブーラブラーしなかったのか

漫画でのライカと麒麟の出会いは実にドラマティックだ。事件に巻き込まれたヒロインに偶然にも出会い、派手なロープアクションで救出する。囚われのお姫様を救う王子様といった古今東西で好まれ、私もとても好きなエピソードの1つである。麒麟がコミックの表紙をアリア、あかりに続いて飾るだけの事はある。それだけ劇的な出会いをやってしまったのだ。

これをアニメでも見たかった。でもそんなものはなかった。1弾から麒麟が一方的に惚れていた状態で、ライキリが主役となった3弾でも劇的な出会いを回想で補完するといった事もなかった。姫が以前から狙っていた王子を射止めたという話になっていた。劇的な出会いというのはベタではあるが、盛り上がる話ではあるし、何故やらなかったのか。


まず最初に挙げられるのは尺の問題だ。4弾以降の話となるが、カルテット①~④を前後編で分けてやっている。今後の話をすれば夾竹桃①~⑦はアニメのクライマックスなので省略はあまりせずに3、4話は使うだろう。この時点で8.5話。だが、1弾冒頭のアリアとあかりの再戦は本当の戦姉妹になるという話に不可欠なのでやるはずだ。更に漫画の人気エピソードを時系列を入れ替えてやると言っている。それぞれ1話しか使わなかったとしても10.5話。12話編成なのでもう1.5話しかない。

ライキリ戦姉妹契約編(島麒麟①~③、火野ライカ①~③)はカルテットの消費話数から考えて省略したって2話はかかってしまう。1弾からもわかるように、アクションはやりたそうな感じなのでアクションは削れない。だが、特に出会いに関してはほぼアクションなのである。削る所がない。無理に入れても意味不明になるだけである。


また、ライカはそこまで活躍するわけに行かないという問題もある。あんまりライカが格好よすぎるとライカがモテて当然に見えてしまう。あかりがハーレムを形成する話のはずなのに、その説得力がなくなってしまうのだ。女人望という設定が出ればまた別かもしれないが、ライカが惚れていなかった理由を作ったり夾竹桃を落とさねばならなくなってしまう。下手にモテる理由を出してしまうと、他の関係にも理由があるかにも見えてしまう。美人船やチビ専の話をすれば女人望の効力も少しはわかるが、順番を入れ替えてやる話としては難しい。もっと話が進んでも負けたらハーレム入りみたいになって、女人望がなくてもわかりやすくなるのだがこれは2クール編成ではない。また尺になって話になってしまった。


そもそもあかりがあの時点で麒麟を助けに行くかという話もある。漫画ではアリアならどうするかという観点で動いていたが、アニメではアリアにもう少し周りに気を配れといった指導を受けてしまっている。これでまた不用意な事をすれば正式な姉妹になる気があるのか疑わしく見えてしまう。アニメはアリアとあかりの戦姉妹にスポットが当てられているのだ。言いつけを破るのはここぞという時であるべきなのだ。それはいつどのように使うか。やるなら死を覚悟した戦い、すなわち妹を救う為に夾竹桃に相対した時だろう。そうそうさくっと使っていいものではない。


何故やらなかったかはこの3つくらいになるだろう。やらなかった結果としてはライカが麒麟だけの王子様になり、少女返りも文字通り少女になろうとするものになった。自身の魅力を意識してノンケだった女の子を落とし始めているライカも見たかったが、どうもアニメは固定カプっぽいし、これはこれで都合がいい。カプが決まっているとスポット的にカップリング要素を出せるのだ。背景でいちゃついているライキリがさも当然のように出せるのだ。それはそれで嬉しい。また、男の方に感情移入するという話をしない方が少女と少女のカップリングという割りとわかりやすい百合になる。どちらもアニメとして楽しく見るのにいいものになっていると思う。