2020年アニメ10選
2020年のアニメ10選を上げると次のようになった。概ねクール毎きれいに別れたと言えるだろう。それぞれについて簡単に感想を書いていきたい。
冬 | 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 恋する小惑星 SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!! |
春 | かくしごと |
夏 | 魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜 Lapis Re:LiGHTs |
秋 | アサルトリリィBOUQUET 安達としまむら ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 |
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
今年も本渡楓は強かった。2010年代後半からVRMMOや異世界がアニメ業界も席巻しているが、そういった中で女性主人公の物も増えてきた。今年見た範囲だけでも乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…、くまクマ熊ベアー、デカダンスとこの他に3つもあった。その中でも防振りは先駆けとしていいポジションにつけたと思う。もうVRMMOの説明は不要となったが、独自の要素を見てもいいし、単に可愛いと見ているだけでもいい。特に後者について雑味がない。上手く美少女アニメの手法を導入できたのだろう。
また、劇中歌のGood Nightがとても好みだった。全く初めて聞いた劇中歌としては今年でもトップクラスの魅力だ。
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恋する小惑星
人の変化を丁寧に描く一方、宇宙というのは人のスケールからすればほぼ不変だ。その境界に位置するであろう小惑星の発見という目標を置いている。この設定の置き方が上手い。それを画としてもきれいに描けば自ずと魅力的なものとなるだろう。それを完成し切るという事が実に素晴らしい。
SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!
旧来からあるIPであるが、実質的には世界観だけを使った新規と思った方がよい。音楽物だけあって楽曲のレベルが高く、その上きちんとガール・ミーツ・ガールを描いていた。こんなの好きになるに決まっている。
今年は明らかに夏吉ゆうこさんの年であったが、それはここから始まっていたのだ。
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かくしごと
メディアミックスにおいては原作とアニメの終わり方をどう接地するかがとても難しい。漫画の最終回と同期してアニメも終えられた本作はそのお手本とも言えるだろう。アニメとしての面白さと漫画としての面白さは別だろうが、同じタイミングで終わらせるにはその質感を近似させていく必要がある。その上でアニメも面白くなくてはならない。その難しい着陸を本作はやってのけた。ただ称賛を送らざるを得ない。
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魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜
俺TUEEEEなんてもはや過去の遺物のように思っていたが、それを魔王の慈しみとして描くとこれだけ魅力的なアニメになるらしい。あまりに強く上位存在である為、完全に展開がわかってしまうのだが、わかってしまうので嫌味がない。アノス様は強いから仕方ないという意識が視聴者にも刷り込まれていく。ファンタジー時代劇アニメの1つの形と言えるだろう。
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Lapis Re:LiGHTs
初期から見ていたコンテンツがこうしてアニメとして結実すると実に嬉しいものだ。特にこれだけ美しくクリアな光を描けたアニメは今年でもごく僅かではないだろうか。魔法を発動する際の光にしても、花に落ちる朝露にしても、これだけ微細に美しく描かれる事はそうない。またアイドルアニメだけあってライヴシーンも各話毎あったが、このCGも実によくできていた。画としてきれいだという事はアニメの圧倒的な強さになる。
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アサルトリリィBOUQUET
各回の感情の上下が激しく、行動としても静と動がはっきりしており、落差の大きいアニメだったと思う。その落差をどう埋めるかによって本作の評価は変わるのだろう。多くの場合、他のメディアに触れる事になるだろうが、メディアミックス特有のメディアによる設定の違いも多い。結果としてその余地をどう解釈するかが問われてしまう。舞台も小説も知っていて、監督としての佐伯さんにも触れていた私にはとてもいいアニメだった。
安達としまむら
単体で見ても面白いのだが、アニメリコというアサルトリリィと安達としまむらを連続で流す枠が天才的だった。
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ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN
ついにストライクウィッチーズも取り敢えずの完結だ。ここまで続けてきてくれてありがとう。感謝の言葉しかない。
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『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima
監督が小野さんだというのもあって遊戯王を見ているようだだった。ターン制で行われるバトル、召喚されるモンスター、何故か衝撃波の生じるラップ。もはやラップデュエルだ。特に5D'sを通ってしまった人はライフポイントが減少する音やモンスターが召喚される音が聞こえたのではないだろうか。それでいて楽曲は面白いのだからよくできている。
遊戯王は展開がよくわからなくてもデュエルで解決するという様式が完成しているが、このやり方はライフポイントなどのパラメータがあるから可能となっている。それに対して本作はラップの技術面を使ったのだと思う。ラップの素人でも山田3兄弟でも一郎が飛び抜けているのが容易にわかった。どっちの曲が強かったかは好みが出てしまうが、巧拙については好みは出にくい。その巧拙を上手く表現できた事が大きな魅力となったのだろう。
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ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
恐らく2020年代のアイドルアニメの中でも白眉と言えるものだっただろう。2010年代のアイドルアニメの総括と言ってもよい。それでいてスタッフやキャスト、楽曲制作者には新しい顔ぶれも少なくなく、この大きなIPに関わった事をきっかけに更に発展していくものもあるだろう。2020年代のアイドルアニメはこの第一滑走者を基準に測られるのだから恐ろしいものである。
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今年は世界レベルで大きな問題も発生し、放送のスケジュールが変わったりもしたが、それでもアニメを楽しめてよかった。特に今年の秋期クールはこの先数年と比較しても粒揃いのアニメが放映されたと言えるだろう。2021年もアニメを見たりしていきたい。