Acer Chromebook R13でcroutonを使う
昨年、衝動的にR13を買ってしまった。特にレビューもしなかったが、キーボードの付いた大きなAndroidとして使うには値段を除けばそんなに悪くはない。YoutubeでFHDの動画を見てもカクついたりしないし、13インチなのでキーボード入力もいつも通りできる。重量も1kgちょっとで持ち運びも楽だ。普通に使える。気になる所と言えばヒンジが若干弱そうに思える点くらいだ。
www.acer.com
そろそろ他の使い方もしたいと思ってLinuxのインストールをちょっと検討してみると次の3つくらいが出てきた。
- Chrubuntu (GitHub - iantrich/ChrUbuntu-Guides: Guides, Walk-throughs, General Fixes and Tips for Chromebook users running ChrUbuntu)
- GalliumOS (GalliumOS – A fast and lightweight Linux distro for ChromeOS devices)
- crouton (GitHub - dnschneid/crouton: Chromium OS Universal Chroot Environment)
まず、ChrubuntuはARMだと動かなさそうな上に情報も古そうだった除外した。
GalliumOSもサポートリストに入っておらず*1、Intel以外は動かないようなので除外する他なかった。
結果として残ったのはcroutonだ。これはchrootを切ってその中でLinux環境を動かすものらしい。R13はARMである為armhfでビルドされたDebian系OSを動かす事になるようだ。
利用手順としては次の3つでできる。各々の詳しい手順はもっと詳しいサイトがあるからそちらを見てほしい。
- Developer modeにする
- shellを起動する
- croutonのバイナリを実行する
ここで取り上げたいのは3のcrouton実行の部分である。マニュアルには次のコマンド2つでXubuntuが動くとしているが、どうもうまくいかないのだ。
sudo sh ~/Downloads/crouton -t xfce sudo startxfce4
実際に動かしてみると一旦Xが起動仕方のように見えるが、D-busのエラーのポップアップのみが表示され、エラーメッセージをOKするとクラッシュしてしまった。ちゃんと調べていないが、デフォルトでインストールされるディストリビューションはUbuntu 12.04でこの時はまだARMがサポートされていなかったからだろう。
折角なのでバージョンやデスクトップ環境毎に組み合わせの一覧を作ってみた。見た所、インストールの失敗はX関連のパッケージだった。
OS | デスクトップ環境 | 起動の可否 | 動作の可否 |
---|---|---|---|
Ubuntu 12.04 | Xfce4 | 起動しない | 動作しない |
LXDE | 起動する | 問題する | |
Ubuntu 14.04 | Xfce4 | 起動する | 動作する |
LXDE | 起動する | 動作する | |
Ubuntu 16.04 | Xfce4 | 起動する | 動作する |
LXDE | 起動する | プロセスエラーが出たり背景がおかしかったりするが、動作はする | |
Debian Wheezy | Xfce4 | インストールに失敗する | 動作しない |
LXDE | インストールに失敗する | 動作しない | |
Debian Jessie | Xfce4 | 起動する | 動作する |
LXDE | 起動する | プロセスエラーは出るが、動作はする | |
Debian Stretch | Xfce4 | インストールに失敗する | 動作しない |
LXDE | インストールに失敗する | 動作しない |
こうしてまとめてみたものの、結局GUIなんて不要だと気づいてDebian sidのCLIで使っている。次のコマンドで使える。全てのパッケージでARM向けビルドが存在するわけではないだろうが、簡単に使う分には問題ない。
sudo sh ~/Downloads/crouton -r sid -t core sudo enter-chroot
国内未発売で値段もそこそこ張るR13なので、日本語での情報は少ない為ご参考になれば幸い。ただ、今回のようにLinuxを入れるなど素のChromebookとして使わない場合にはIntelチップを選んだ方がいいだろう。